高速道路を走るのが初めてという方や、まだ慣れていない初心者の方にとって、高速道路の走行は不安がつきものです。スピードが速く、車線変更や合流、追越などに気を配る場面も多く、ちょっとした判断ミスが大きな事故につながることもあります。
この記事では、高速道路を安全に走行するための基本的なルールや運転のコツをわかりやすく紹介します。安全運転の意識を高め、快適なドライブを実現するために、ぜひ参考にしてください。
出発前にしておくべき準備
車両点検は欠かせない基本
高速道路では一般道と違い、簡単に路肩に停車したり、すぐに修理工場に立ち寄ったりすることができません。そのため、出発前には車の状態をしっかり確認しておくことが重要です。
タイヤの空気圧や摩耗、オイルの残量、冷却水の状態、ブレーキの効き、ライトやウィンカーの点灯などを事前に点検しましょう。もし点検が不安な場合は、ガソリンスタンドや整備工場でプロに点検を依頼するのも一つの方法です。
燃料は早めに補給しておく
高速道路上のガソリンスタンドは数が限られており、場所によっては次のスタンドまで数十キロ離れていることもあります。また、深夜や早朝などは営業していない場合もあるため、燃料が少ない状態で高速に入るのは危険です。
高速道路に乗る前に、燃料メーターを確認して必要であれば給油しておきましょう。満タンにしておくことで、安心して走行できます。
高速道路での走行の基本
走行車線と追越車線の使い方を守る
高速道路には複数の車線がありますが、左側の車線が基本的な走行車線です。右側は追越車線とされており、前方の車を追い越すときだけ使用するのが原則です。
追越が終わったら速やかに走行車線へ戻るようにしましょう。追越車線を長時間走ることは通行帯違反として取り締まりの対象になることがあります。周囲の流れを意識しながら、ルールに従って車線を使い分けることが安全につながります。
制限速度を守りながら流れに乗る
高速道路では基本的に時速100キロが制限速度とされていますが、区間によっては80キロや70キロに制限されている場所もあります。制限速度は標識で案内されているため、こまめに確認しながら走行しましょう。
ただし、制限速度だけでなく、交通の流れにも注意する必要があります。自分だけが遅すぎる速度で走っていると、かえって他の車との速度差が生じて危険です。制限速度内で周囲に合わせた走行を心がけましょう。
安全運転を維持するためのコツ
車間距離を十分に保つ
高速道路では車のスピードが速いため、前の車との距離が近すぎると追突事故の原因になります。目安としては、時速100キロで走行している場合は100メートル程度の車間距離を取るのが理想です。
また、雨の日や霧が出ている場合は、さらに余裕を持った車間距離を確保しましょう。前の車がブレーキを踏んだときに、しっかり減速できる距離があることで安全性が高まります。
合流は加速とタイミングが大切
高速道路に合流するときは、加速車線でしっかりスピードを上げて、本線を走る車と同じくらいのスピードで合流することが重要です。速度差が大きいと、合流が難しくなるだけでなく、他の車にも危険を与えてしまいます。
ミラーと目視で安全確認を行い、合流タイミングを見計らって本線に入るようにしましょう。また、すでに本線を走っている車が合流車に気づいた場合は、車線を変えてスペースをつくるなど、譲り合いの意識も必要です。
車線変更は余裕を持って行う
車線を変更するときには、ウィンカーを早めに出し、後方の車に自分の意図を伝えることが基本です。急な車線変更は、後続車との接触事故につながるリスクがあります。
ミラーと目視で確認し、安全な距離が確保されていることを確認してから、ゆっくりと車線変更を行いましょう。焦らず、落ち着いた操作を心がけることが大切です。
休憩をこまめに取って疲労を防ぐ
高速道路では同じ姿勢が長時間続き、単調な景色が続くため、思っている以上に疲労がたまりやすくなります。集中力が低下すると反応が遅れ、思わぬ事故を引き起こすこともあります。
安全に運転を続けるためには、二時間に一回程度を目安にサービスエリアやパーキングエリアで休憩を取りましょう。トイレ休憩や軽いストレッチだけでも体と頭がリフレッシュされ、眠気や疲労が軽減されます。
トラブル時の対応も事前に把握しておく
故障や異常を感じたら無理をしない
高速道路を走行中に異常を感じた場合は、無理に走行を続けず、できるだけ早く安全な場所に停車しましょう。可能であれば最寄りのパーキングエリアまで走行し、そこで対応するのが理想です。
それが難しい場合は、非常駐車帯に停車し、ハザードランプを点灯させます。後続車への注意喚起のため、三角停止表示板や発炎筒も使いましょう。車内にはとどまらず、ガードレールの外など安全な場所に避難することが必要です。
緊急時の連絡先を確認しておく
万が一に備えて、JAFや高速道路会社の緊急連絡先をメモしておくこともおすすめです。携帯電話が使えない場合は、道路脇に設置されている非常電話を利用することもできます。
また、ETCを利用している場合は利用履歴から区間が特定されやすく、救助がスムーズに進むこともあります。
高速道路の運転に慣れるには経験が大切
高速道路の運転は、一般道と違ってスピードが速く、操作の判断も早く求められます。しかし、一度ルールやコツを理解してしまえば、快適に移動できる便利な道路でもあります。
無理にスピードを出さず、自分のペースで走行しながら経験を積んでいくことで、徐々に高速道路での運転に慣れていくことができます。安全運転を意識して、高速道路を安心して利用できるようにしましょう。
まとめ
高速道路を安全に走るためには、基本的なルールと事前の準備が欠かせません。出発前の点検や給油、安全な合流や車線変更、こまめな休憩など、小さな行動の積み重ねが大きな事故を防ぐことにつながります。
初心者の方は最初こそ不安かもしれませんが、焦らず落ち着いて運転し、無理をしないことが何より大切です。今回紹介したコツを参考に、安全で快適な高速道路の運転を心がけてください。