車の中に「発炎筒(はつえんとう)」が備え付けられているのはご存知でしょうか?しかし、その発炎筒に「使用期限」があるということを知っているドライバーは意外と少ないものです。
この記事では、発炎筒の役割や使用期限、期限切れによるリスク、点検方法、交換方法、さらにはLED式非常信号灯との違いについても詳しく解説します。
「自分の車の発炎筒、いつ交換したっけ?」と少しでも気になった方は、ぜひ最後までご覧ください。
発炎筒って何のためにあるの?
非常時に使う信号装置
発炎筒は、交通事故や車両トラブルなどで路上に停車せざるを得なくなったとき、後続車に危険を知らせるための非常信号装置です。煙と炎によって、昼夜問わず遠くからでも車の存在を認識できるようになっており、高速道路や見通しの悪い道路での事故防止に大きな役割を果たします。
車検にも必要な装備
道路運送車両法では、乗用車や貨物車などのほとんどの車種に発炎筒の装備が義務付けられています。つまり、発炎筒が車内に搭載されていない、あるいは期限切れの場合には車検を通過できない可能性もあります。
発炎筒の使用期限とは?
有効期限は4年が一般的
発炎筒の多くは、製造からおよそ4年が使用期限とされています。期限は発炎筒本体に記載されており、「年/月」形式で表示されている場合がほとんどです。
たとえば「2026/08」と書かれていれば、2026年8月末までが使用可能期間です。
期限切れでも点火する可能性はあるが…
期限を過ぎた発炎筒でも、運が良ければ点火するかもしれません。しかし、発炎筒は火薬を使用している製品であり、長期間経過すると湿気や経年劣化によって点火性能が大きく落ちます。
いざというときに点かない発炎筒は、存在していないのと同じです。
期限切れの発炎筒を放置するとどうなる?
万一のときに機能しないリスク
車が故障して高速道路に止まった際、発炎筒を点けようとしても点かない――そんな最悪の事態が起きる可能性があります。後続車からの視認性が低くなり、二次被害のリスクが一気に高まります。
「備え」は、使える状態でこそ意味があるということを忘れてはいけません。
車検に通らないケースも
車検の検査項目には「非常信号用具の有無と有効期限」が含まれています。期限が切れていた場合は、不適合とされる場合もあります。車検前には必ず点検しておきましょう。
自分の車の発炎筒を確認する方法
運転席・助手席周辺をチェック
発炎筒の多くは、運転席の足元付近や助手席のグローブボックスの中、あるいはドアの内側などに収納されています。円筒形で赤いケースに入っていることが多いので、見つけやすいはずです。
表面のラベルで期限を確認
発炎筒の外装には、使用期限や製造年月が記載されたシールや刻印があります。それを見て、現在の日付と比較しましょう。
もし記載が消えていたり、読めない場合は、安全のためにも早めの交換をおすすめします。
発炎筒の交換方法と費用
カー用品店やネット通販で購入可能
発炎筒はカー用品店やディーラー、インターネット通販などで簡単に入手できます。価格は500円から1,500円程度と比較的安価です。
市販されているものには、車種ごとに取り付け方式が異なる場合があるので、購入時には今ついている発炎筒の型に合った製品を選びましょう。
自分で簡単に交換できる
発炎筒の交換は、特別な工具などは不要で誰でも簡単に行えます。古い発炎筒を取り外し、新しいものを元のホルダーに差し込むだけで完了です。
ただし、発炎筒には火薬が使用されているため、誤って点火しないように取り扱いには十分注意しましょう。
使用済み・期限切れの発炎筒の処分方法
自治体の指示に従う
発炎筒は「火薬類」に該当するため、通常の不燃ゴミとして処分できないことがあります。各自治体によって処分方法が異なるため、住んでいる市区町村のホームページなどで確認することが大切です。
カー用品店やディーラーで回収してくれる場合も
購入した店舗や整備工場によっては、使用済み・期限切れの発炎筒を引き取ってくれる場合があります。新しい発炎筒の購入と併せて処分も依頼すれば、手間もかかりません。
LED式非常信号灯という選択肢
LED式は火薬を使わず、半永久的に使える
最近では、火薬を使わずにLEDの強力な光を発する「LED非常信号灯」も登場しています。発炎筒と同じく道路交通法上の非常信号用具として認められており、繰り返し使えるのが大きなメリットです。
電池切れには要注意
LED式は長寿命ですが、使用には電池が必要です。定期的に電池残量を確認し、必要に応じて交換することを忘れないようにしましょう。
非常時の備えは小さな道具から
発炎筒は普段使うことのない道具ですが、いざというときの命綱になり得ます。日常の運転においては意識されることの少ない装備ですが、安全運転と同じくらい「備え」は重要です。
タイヤの空気圧やオイル交換と同じように、発炎筒の点検を定期的なルーティンに取り入れておくことをおすすめします。
まとめ
車に乗る全ての人に共通する「安全への備え」として、発炎筒の存在は非常に大切です。期限を過ぎた発炎筒は、いざというときに役に立ちません。
・発炎筒の使用期限は約4年
・期限切れだと車検に通らない可能性もあり
・LED式非常信号灯という代替手段もある
・交換や点検は簡単で、コストもわずか
今すぐ自分の車の発炎筒をチェックして、必要であれば新しいものに交換しておきましょう。あなた自身の命、そして家族や他人の命を守る第一歩です。